初恋
一人が苦痛だと思ったことは幸いながら一度もない


私には本があるから。


本は色々な事を疑似体験させてくれる。


毎日毎日本を読み続けて、
いつの間にか1ヶ月がたっていた。


「じゃあ、校外学習の班決めろー」

だるそうに言う新米教師。


もちろん友達がいない私は余り者。


そんな時、

「桜田さん、一緒の班になろ!」

ふと、私の名前が呼ばれる。

「えっ、何で!?」

私の名前を呼んだ人と一緒の班になったであろう女の人が叫ぶ。

「だって、桜田さん一人じゃん。
俺、柳井悠斗、よろしく」

柳井君の後ろで女の人が悲しそうな顔をする。

多分、この人は柳井君の事が好きなんだろう。

私は昔から勘は鋭い。
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