恋愛温度、上昇中!
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「あんた、何着パンツスーツ持ってんのよ!ドレスなんて一枚もないじゃない!」
祥子はズカズカと私のクローゼットを物色した後、呆れた声を出した。
なかったっけ?一着は持ってたはずだけど。実家、かな?
「ドレスなんて、着る用事もないし」
目覚めの悪い日曜の朝。
薄いコーヒーで始まって、ソファに腰を下ろす。
「女はドレスを着るものなのよ!」
理不尽だ。何か理不尽だ。その全開の女王様オーラは一体どうやれば身につくのか。いや、いらないけど。祥子は今日も朝から元気。
「…スーツでいい」
「パーティよ!イベントってのはね、いつもと違うギャップを感じさせて男の心を掴んでおくためにあるのよ」
言い切る祥子。いや、違うよね!?