恋愛温度、上昇中!
11時過ぎには店を出て飯でもくうかと言われたけれど、もう気力がなくてそれは断って送ってもらった。
バックと靴はなんとか断って、ドレスのお金は返すと言えば「ごちゃごちゃ言うな。おまえあげたもん返されるってどれだけ失礼かわかってる?」と面倒くさそうにあしらわれた。
そういっても諭吉さんが何枚も飛んでいったのに気軽に貰えるものじゃない。大体こんなのポンと買える関谷は何者なの。
埒が明かないからこの話はそれで切り上げて関谷の車を見送る。
やっぱりよく分からない関谷に振り回されて、私はどうしたいのか。
関谷はきっと自分に媚びを売らないから私に興味を持っているんだと思う。
気紛れなキスも、不意打ちな言葉も、関谷にとってはきっと挨拶する位簡単な事で、いちいち動揺する私が面白いだけなのだと言い聞かせる。
だって、分からない。あんなどうみても誰もが振り向く美形で、口は悪いけど嘘がない男が私に名前のある興味を持つはずがない。