恋愛温度、上昇中!
「良かったら一緒に、飲みませんか?」
いつ、私の後方に登場したのか。私がツラツラと出会いについて考えている時なのか。いきなり襖を開けるなんて失礼なんじゃないのかとか、考える間に「も、勿論です!よろしくお願いします!」マチちゃんが頭を下げる。
「ち、ちょっと」
慌てて口を挟んだ所で遅い。マチちゃんは私に、断る選択肢などないと言うようにバチバチとウインクしている。それもはや、ウインクというか瞬きよ、マチちゃん……
マチちゃんがオーバーリアクションなのは仕方ない。
何故かキラキラと後光が見える。はっきりと分かる綺麗過ぎる顔立ち。完璧なモデル体型の長身に緩くウエーブを描く茶髪のスーツの男性。まさに絵本から抜け出した王子様がそこにいた。