恋愛温度、上昇中!
関谷の額に触れる。まだ少し熱い。だけど、多分、ピークは越したと思う。
「…良かった」
あんまり、心配かけないでよ。
そう思ってから、心配していた自分に気付く。
食器を片付けて、関谷の額に今更、冷えピタを貼る。本当は、食事が済んでから貼るつもりだったのに。
あたしはよく眠る関谷を眺めて、そのキャラクター物の冷えピタのアンバランスさに笑った。
どんな萌だ。
眠ってりゃ、可愛いのに。
……あんたの言葉はあたしを惑わせる。
関谷の真意なんて知らない。
きっと、まだ、
あたしは素直になれないから。
「…何、考えてんの?」
あんたは、あたしをどうしたいの?
あたしは、あんたをどうしたいの?
疑問文は深く考えると、抜け出せなくなりそうでやめた。
あたしは関谷の枕元に薬と書き置きをしてから、結局ゆっくり眺める事のなかった部屋を出た。