恋愛温度、上昇中!
「…主、任?」
「っはい」
戸惑う声に顔を上げる。そこには、今日も綺麗に髪を巻いた小倉さん。
「あの…これ構いません?」
あたしの様子に一瞬怪訝な表情を見せたけど、すぐに振り切って何枚かの企画書を手渡す。
「出来たの?早いわね」
あたしはコホンと眼鏡を直して、それを受け取った。
パソコンで打たれた企画書は、この間のミーティングで決まったデザインの売り出し広告。HPに載せる要項に、予約販売の数、見込める売上、顧客へのメルマガ配信…とかそんな感じの事が書かれてある。
目を通して、あたしは頷いてから
「工場に連絡と最終確認、この予約販売の個数の見直しがすんだら、後は作成に取りかかって下さい」
衿を正して小倉さんに向き直った。