恋愛温度、上昇中!
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揺れるタクシーの中。
私はぼんやり過ぎ去る景色を眺める。
ねぇ、彰俊。
もしも違う出会いがあったとしたら、
私とあんたの人生は交わってない。
祥子がいたから、あんたと出会った。
変わらない関係は、永遠より儚いけれど。
彰俊の背中を、もう押す事はないんだろう、結局恋だったのか、なんなのか。もう、どんな感情だったのか鮮明に思い出す事はない。
じゃあ、今の私は───?
そう思えば、何故か関谷の気怠い笑顔が頭に過ぎった。