恋愛温度、上昇中!

「仕上がったんですね!!『大人の余裕』!」

マチちゃんが今日も勢い良くあたしに走りついてきた。

「ええ、何とか、ね」

少しだけ微笑んで、協力してくれてありがとう、と頭を下げる。
 マチちゃんはあたしの描いたデザインを見ながら、


「…なんか、雰囲気変わりましたね!!」



鼻息荒くあたしの腕を掴む。


「だけど、やっぱり紗織さんの色です」


マチちゃんはどこか満足そうに笑みを浮かべた。

「抱かれたい、っていう大胆さよりも、抱き締められたい、って精一杯誘ってるみたいな、そんな、大人の余裕!絶対ウケますよ!!」



マチちゃんの言葉に私は苦笑しながら、いつもと同じ1日が始まろうとしていた。


< 346 / 418 >

この作品をシェア

pagetop