恋愛温度、上昇中!
「仕上がったんですね!!『大人の余裕』!」
マチちゃんが今日も勢い良くあたしに走りついてきた。
「ええ、何とか、ね」
少しだけ微笑んで、協力してくれてありがとう、と頭を下げる。
マチちゃんはあたしの描いたデザインを見ながら、
「…なんか、雰囲気変わりましたね!!」
鼻息荒くあたしの腕を掴む。
「だけど、やっぱり紗織さんの色です」
マチちゃんはどこか満足そうに笑みを浮かべた。
「抱かれたい、っていう大胆さよりも、抱き締められたい、って精一杯誘ってるみたいな、そんな、大人の余裕!絶対ウケますよ!!」
マチちゃんの言葉に私は苦笑しながら、いつもと同じ1日が始まろうとしていた。