恋愛温度、上昇中!
結局、
それからいつも寄るショットバーに移動して、あたしの宣言通りただアルコールを体に入れた。山都さんは『飲み過ぎるな』とも言わないし、そのくせさりげなくあたしのペースをゆっくりにさせたりするから心地良く酔える。あれから、別に山都さんが下ネタトークを繰り広げる様子もなく、いつもの毒気たっぷりのムカつく会話だった。それでも嫌な気持ちにならないのがこの人のすごい所だ。
お陰で、関谷の事も考えずに飲めた。まあ、元々、こんなにアルコールを欲しているのもあいつのせいだけど。
何もかも、忘れて、何もなかった頃に戻れたら楽になるのか。
まあ、今はとりあえず、
帰りのタクシーに乗る時、
『振られたら抱いてあげるねー』
と山都さんがそれはそれは綺麗に微笑したのは忘れておくことにしよう。