恋愛温度、上昇中!
どこをどう目撃されたのか。背中に冷たいものが走る。あの日は、全てが正気じゃなかった。思わず頭を抱えたくなる。
「遠目だったからよく分からなかったんですけど主任、えらく酔ってました?」
首を傾げる小倉さん。穴があったら入りたい。いやむしろ穴を掘って埋めてほしい。
沈黙するあたしに構わず小倉さんは続ける。
「一緒にいた人すごくかっこ良かったですねー」
ああ、頭が痛い。
「主任が酔っ払いモードでフラフラ帰っていった後も追いかけようとしてましたよ」
真っ直ぐ帰れるかどうか心配してたんでしょうかね、と続ける小倉さん。この子はあたしがあの場を去った後も目撃しているのか。とゆーか、あたしの中では漫画の様に走り去ったつもりだったけど、酔っ払いモードって…
…想像したくない。
そして、関谷のあの後の行動を知っている小倉さんにあたしはフゥと息を吸い込んだ。