恋愛温度、上昇中!
もうその時点で、これからの会話の予想が全く出来なかったあたしに、小倉さんは更に予想外の言葉をかけた。
「何かどこかで見た事あるって思ってたんですぅ。あんなかっこいい人忘れる筈ないしー。」
「それで、あの一緒にいた女は蓮井優菜じゃないですかぁ?」
一呼吸深い意味の無さそうな間を作った小倉さんの語尾音は疑問文というよりも、最早言い切ったような、それより
「…知ってるの!?」
流石に動揺、した。
「やっぱり。髪型変わった位で雰囲気全然変わんないし。あたし、あの子と大学一緒だったんですー」
髪の毛を指先でクルクルさせながら、小倉さんは何でもない事のようにそう言った。