恋愛温度、上昇中!

小倉さんの通った女子大は、誰でも知ってるような有名なお金持ちのお嬢様学校。蓮井さんは同級生でコースは違ったけど一緒の学内にいれば自然と何度か見かけたらしい。



「相変わらず一緒にいるんですねぇ」


ホゥと息を抜きながら小倉さんは呟く。やばい、動揺で、指先に力が入らない。いやむしろそれを通り越して力がみなぎってきた。



「興味、あったんですよね」


小倉さんは、一呼吸置いて少し迷った後、そう言って苦笑する。


「あんなかっこいい人周りにはいなかったし。それで蓮井優菜と話すようになったんです、まあとにかくガードがすごくて何も進展はありませんでしたけど。あの日偶然見かけて懐かしくなっちゃった」


私の事なんて覚えてないだろうなーと、控え目に遠い目をして語る小倉さん。


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