恋愛温度、上昇中!
「おまえは不器用なだけ」
簡単に見つかってしまった視線が交差して、否応なく関谷に向かい合わされたあたしは、何も言えなくて、
ああ、もう、
何か、言わなくちゃ、
「…あんたなんか嫌い」
そう、嫌い、嫌いになれたらいい、だから、関谷もう放っておいてよ。
「嘘つき」
なのに、関谷はクッと笑って、見透かすみたいに即答する。
そして、掴んでいた腕をそっと解いて、
あたしの目元に触れて、
指先でスウと目尻を拭う。
「じゃなんで泣いてんの。俺の事好きじゃねーならそんな顔すんな」
胸が掴まれて息が出来ない。
今自分がどんな表情で関谷を見ているのかは分からないけど、さっきから邪魔な目尻の熱さが涙なんだと言われて、もう、そんな自分の顔、想像するだけで消えてしまいたい。