恋愛温度、上昇中!



不意に、関谷が目を逸らして、右手で顔を覆う。離れた温度に動揺しながら、私は関谷を見上げた。





「…もっかい」

「え?」



漏れた声に戸惑う。


「もっかい、言って」

「せ、きや?」

「今の、もっかい」


関谷が右手を外す。僅かに赤い頬に、熱を帯びた真っ黒な瞳に、私が、焦がされる。


「い、いわない」


ズズッ、と、鼻をすする音に我ながら色気がないけど、仕方ないじゃない。
関谷、あんたなんて顔してんのよ。尋常じゃなく、色気が漏れてる。環境破壊だ、と叫びたい。


「ふざけんな、言わないと犯すぞ、こら。」



獣みたいな目、関谷は時々そんな目をして、私はその度、射すくめられて、動けなくなる。ゆっとくけど、ここはマンションの階段で、一応公共の場だから、ほんと、やめて欲しい凶器みたいな色気、




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