恋愛温度、上昇中!


その後、延々と男女のアレコレをレクチャーされ、社長室からやっと解放されると得体のしれない何かがドッと押し寄せてきた。

責めるようにのし掛かるそれを振り切る様に大きく肩で息をした。カツカツと先の細いローヒールが通路に響いて、それと同時に無意識な溜め息が待ったなしに零れ落ちていく。

言ってる意味は分かる。
社長の奥深い…いや少し深すぎる話も視点が違うだけで、同じ性別なのだからキャッチボールが出来る筈。
なのに、毎回私はあの剛速球に手も足も出ないでいる。


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