恋愛温度、上昇中!
「もうそんな年なの?」
祥子はトーンの低い声でホゥと溜め息をついた。
彼女から『結婚願望』を感じた事はない。基本的にいつも彼氏を欠かした事がない祥子だけど、いつも恋の熱はすぐに冷めて長続きしないんだから。
「勿体無いわね」
冷めたスープを飲み干して祥子に向き直った。
あたしと祥子。気の強い所、弱い部分を見せない所、部分的によく似てる。
だけど決定的に違うのは、勿論外見と、それ以外に『理解してくれる男』がいた事だ。
彰俊は、誰よりも祥子を知っていて誰よりも理解していると思う。
あたしの言葉に決まり悪そうに目を逸らす祥子。
結局、2人の運命の糸は結びつかなかった訳だけど、いなくなって気付く、なんて馬鹿な事祥子にはさせたくない。