恋愛温度、上昇中!
「そんな事よりっ!どうだったんですか!」
マチちゃんの勢いに押されてテーブルの用紙がふわりと浮いた。
「なにが」
「関谷さんですよっ」
その名前に、ぞわと鳥肌が立つ。思い出させないで欲しい。
「ああ、いらない気を使ってもらってありがとう」
ニコリと嫌味をこめて笑えば、マチちゃんが「いえいえー」なんてテンションを上げてる。些細な嫌味は伝わらなかったらしい。
「はぁぁ、良いですよねー関谷さん!『紗織さんのだらけた休日に是非花を添えて下さい』って言ったら『は?』ですって!あの無愛想ぶりが最高です」
なにが最高なのかさっぱり分からない。
「携帯番号教えてきちんと『紗織さんは奥手なので連絡待ってます』って言っておきましたから」
グッと親指を立てるマチちゃんに溜息が落ちた。自分が知らない間にも展開は進むらしい。