強くて鈍感な彼女?!
ー風太Side&颯斗ー
俺と颯斗は、いそいそと由利ん家の階段を下りる。
すると、リビングでご飯の支度をしていた由利のお母さんが俺らに気付く。
「あら!もう帰るの?
今、ジュースとお菓子持って行こうかと思っていたのに。」
「いえ、すぐに帰る予定だったんでいいです。」
「そう?じゃあ気をつけて帰ってね。
これからも由利をよろしく頼むわね!」
「ハイッ!!!」
元気良く返事をしたのは、さっきまでどこか落ち込んでいた颯斗だ。
歩き出してすぐ俺は颯斗に話しかける。
「お前いつから元気になったんだ?」
「由利ちゃんのお母さんに頼まれた時から!」
あ。
これ絶対こいつ違う意味でとらえてるわ。
「颯斗。落ち着いて聞いてくれ。」
俺は1度深呼吸して話し出した。