強くて鈍感な彼女?!



ー梓Side&由利ー


沈黙を先に破ったのは梓だ。



「…由利。私が言うのもなんか変だけどそんなに颯斗君の事嫌い?」



「嫌い。」



即答されて困っている梓に今度は、優しく話しかける。



「梓…。颯斗君はね。私の外見だけを見て好きだって言ってるの。

私、そんな人と付き合うなんて嫌よ。
梓だってもし風太が『顔が可愛いから付き合って下さい!』って言ってきたら嫌でしょ?」



確かにもしもでも、それは嫌だ。


だけど…



「それは嫌だよ?
だけど……本当に颯斗君は由利の外見だけを見て好きになったの?」



「それしかありえないよ。」



「それって多分違うと思う!
もしかしたら、颯斗君はああ見えて由利の事を一途に想ってるかもしれないんだよ?」



由利は私の言葉を聞いて黙る。


少し時間が経ち、由利が重い口を開く。


「……だって、また同じだったらと思ったら怖いよ…。」
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