強くて鈍感な彼女?!




次の日には校内は私と新島先輩の話で持ち切りだったが、空気を読んでか直接聞いてくる人などいなかった。




それから先輩とは1度も話さず卒業していった。















…………………
……………
………











これが由利から聞いた過去。




それから恋愛に関してはトラウマができてしまい、1度も恋愛をしていないという。



どうしても先輩と重ねてしまって怖くなるらしい。









私は、由利に何も言葉を掛けてあげれなかった。



恋愛経験の乏しい私が何を言ったってそれは、慰め以外の何でもないのだから。



だけど、ただ一言。








一言だけは伝えておきたかった。










「…由利、颯斗君は新島先輩じゃない。だから新島先輩に捕われる必要はもう無いんだよ。」






由利は、一瞬だけ驚いた様な目をしてそれから少し笑って



「うん。ありがと。」





と言った。


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