誰よりも愛してる

「どうかした?」


聞き覚えのある声に振り返ると矢口チーフが軽快に階段を上ってきた。


「ど、どうもしないですっ」


慌てて段ボールを持ち上げようとした時、彼の大きな手がひょいと私から段ボールを奪った。


「うわぁ、けっこう重たいね。」


「あっ、あの、そうなんです。

だから自分で運びますっ」


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