誰よりも愛してる

段ボールに手をかけた私を見て、彼が笑った。


「辺見さんって天然?」


「えっ?!」


「えっ?!天然じゃないの?!」


「いや、私が驚いたのはそこじゃなくて、…名前」


「ああ…、だって入社した時に自己紹介してたじゃん?」


「えっ?!それで覚えててくれたんですか?」


「まあね」と得意げに笑いながら階段を上る彼の背中に付いていく。


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