誰よりも愛してる



涙も出ていないのに震え出す声。


「私は…奈緒子が傷ついてまで、彼との関係を続けるのはどうかと思う。」


「でも、今すぐスッパリ切れと言われても

私は正直、何も言い返せないの。」


「そんなに…矢口チーフの事が好きなの?」


「うん。」


震える声が小さく宙を舞うと彼女は優しく、だけど困ったように笑った。


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