誰よりも愛してる


そんな小さな期待を持った瞬間に浮かんだ彼の家族の光景。



掻き消すように頭をブンブン振って会社に休みの電話をかけた。


飯島チーフは「治ったら、また元気な笑顔を見せてな」と穏やかに言ってくれた。


「…上司に恵まれてて良かった。」


心底、そう思いながら本当に自分の男を選ぶ能力の低さに情けなくなる。


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