誰よりも愛してる


昨日、買ったばかりの香水を軽く手首に振り掛ける。


矢口さん、香水に気付いてくれるかな…?


「ちょっ…何やってんの?!」


「えっ?何が?」


「何が?じゃないわよ。

あんた、香りが彼についたら確実に奥さんにバレるよ?」


「えっ?…ちょっとだよ?」


「バカ。

そのちょっとが命取りになる事もあるの。」


そう言いながら、持っていたハンカチで私の手首を拭った美沙子。


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