優しい喫茶店
その少女は思い悩んだ顔をしていた。
ルイはそんなようすの少女に

「コーヒーよりは甘めのカフェオレがいいかな？」

少女は静かに頷いた。
ルイは真新しいカップを取り出し
砂糖を大めにミルクをたっぷりいれたカフェオレを少女に渡すと
ルイは静かにコーヒーを飲む

「私はもう帰るわね、いつも美味しいコーヒーありがとう」
「いつも来てくれてありがとうまたの来てくれるのを楽しみに待っているよ」

クリスは銅貨２枚を置くとカランカランと音の鳴る扉を開けて出て行った。
ルイは調理器具の整理をしながら

「コーヒーも自慢だけど、カフェオレもそこそこの物だと思う、美味しいかい？」

と問うと

「すごく美味しい」

と、先ほどまでの悩んだ顔とは違った可愛い笑みで言葉を返してくれた。

「それは良かった」

そういってルイも優しく微笑んだ。

「何か食べていくかい？」

お昼頃お腹が空いている頃でも

「お金あまり持ってないです…」

と俯き気味に言われた。
それでもルイは

「このLumiere douceは初めてのお客さんから代金は受け取っていないんだだから安心して注文してくれ」

と、調理器具を準備しながらルイは言った。

「じゃぁ、オムライスを」
「かしこまりました」

そう言うとルイは紅茶なども準備しながらオムライスを作り始めた。

「オムライスに紅茶？」
「紅茶はもうそろそろ紅茶好きのお客さんがくるだろうから先に準備したんだ」

カランカランと扉が開く音がすると

「ルイ、美味しい紅茶をくれ」

と言って大柄な男が入ってきた。
「ほらねっ」と言うようにルイは少女にウィンクをした。
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表紙・目次

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