少年少女リアル
「……曾根君だって」
思わず聞き返してしまいそうな声だった。黙って眉を顰める。
「そんなの……曾根君だって、勝手だよ、勝手過ぎるよ……!」
何者かに胸をどんと強く押されたかのようだった。
「勝手に欲情して……忘れてくれって言ったくせに」
責任取ってよ!
そう責められる事が怖かったし、絶対に言われる言葉だと思っていた。
内心彼女もずっとそう思っていたと思う。『気にしないで』なんて、きっと、これっぽっちも思っていなかったはずだ。
責任を取れ、と言われれば、反論も言い訳もできない。
僕に情状酌量の余地など与えられない言葉なのだ。
それでも、彼女はその言葉を呑んだ。
「好きでもない女の子とキスするの? 触れられたら、誰でもいいの?」
言い返す言葉がない。見当たらないのじゃない。ないのだ。
彼女は強い目で僕を睨んだ。
「全部衝動のせいなの?」