少年少女リアル
第七章 迷走
皆の思い虚しく、秋晴れというわけにはいかなかった。物事はそう上手くはいかない。
湿気を含んだ空気が、この祭りの雰囲気には不似合いだ。
それぞれが我一番と競うように、教室ごとに窓が派手な色や装飾で飾られている。早朝から準備したのだろう。昨日はひどい雷雨だったから。
そのうちの一つに、瀟洒な装飾の窓がある。僕のクラスだ。
舞台袖からは少し離れた所で、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、と仮装した生徒達が客引きをしているのが見えた。
何の仮装のつもりなのか、全身が真緑の者さえいる。ここからでは遠くて細かい事はわからないが、顔面まで緑にする根性には感服する。
「じゃ、行ってくるな」
ぽんと僕の肩を叩くと、冴木は爽やかに笑った。
昨日までは確かに黒だったのに、髪は絹のような金色になっている。おまけに、灰色のカラーコンタクトを入れていて、まるで北欧人のようだ。
「ああ。頑張れ」
「おうよ!」
ガッツポーズを作ると、冴木はステージへの階段を上っていった。続いて、バンドメンバーが上っていく。
湿気を含んだ空気が、この祭りの雰囲気には不似合いだ。
それぞれが我一番と競うように、教室ごとに窓が派手な色や装飾で飾られている。早朝から準備したのだろう。昨日はひどい雷雨だったから。
そのうちの一つに、瀟洒な装飾の窓がある。僕のクラスだ。
舞台袖からは少し離れた所で、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、と仮装した生徒達が客引きをしているのが見えた。
何の仮装のつもりなのか、全身が真緑の者さえいる。ここからでは遠くて細かい事はわからないが、顔面まで緑にする根性には感服する。
「じゃ、行ってくるな」
ぽんと僕の肩を叩くと、冴木は爽やかに笑った。
昨日までは確かに黒だったのに、髪は絹のような金色になっている。おまけに、灰色のカラーコンタクトを入れていて、まるで北欧人のようだ。
「ああ。頑張れ」
「おうよ!」
ガッツポーズを作ると、冴木はステージへの階段を上っていった。続いて、バンドメンバーが上っていく。