少年少女リアル
あっという間に二十分が過ぎ、最後の曲が終わった。
「今日はありがとー!」
挨拶の言葉を述べる。
いちいち、それに反応する声や茶化す声が飛んでくる。まるでアイドルのライブ会場みたいだ。
慣れているのか、笑顔でそれを返していく。気取ってなくて、どこか厭味のない所が冴木らしい。
「あっ、そうだ!」
と、ステージの冴木と目が合う。
「ここで……我等が新メンバーを紹介しまーす!」
曲が止んだせいで、客席のどよめきがさっきより伝わってくる。
冴木は再び舞台袖の僕を見ると、笑顔で手招きした。
「は?」
いやいや。可笑しいだろ。
首を振る。変な笑いが零れた。
マイクから外れて、「曾根、来いって!」と冴木がもう一度促す。
意味が分からないという顔をしてみせると、冴木はズカズカとステージから降りてきて、僕の腕を無理矢理掴んだ。
「おい、冴木、意味が……」
「じゃっじゃーん!」
どよめきと歓声が客席から起こる。
「新メンバーってのは冗談でぇ……B館四階、執事喫茶をよろしくー! 俺等のクラスだから、皆来てくれよなー!」
ははは、と笑い声が上がる。
冴木はステージ用の衣装だったが、もちろん僕は衣装、執事の格好。
なんという醜態。最悪だ。
「今日はありがとー!」
挨拶の言葉を述べる。
いちいち、それに反応する声や茶化す声が飛んでくる。まるでアイドルのライブ会場みたいだ。
慣れているのか、笑顔でそれを返していく。気取ってなくて、どこか厭味のない所が冴木らしい。
「あっ、そうだ!」
と、ステージの冴木と目が合う。
「ここで……我等が新メンバーを紹介しまーす!」
曲が止んだせいで、客席のどよめきがさっきより伝わってくる。
冴木は再び舞台袖の僕を見ると、笑顔で手招きした。
「は?」
いやいや。可笑しいだろ。
首を振る。変な笑いが零れた。
マイクから外れて、「曾根、来いって!」と冴木がもう一度促す。
意味が分からないという顔をしてみせると、冴木はズカズカとステージから降りてきて、僕の腕を無理矢理掴んだ。
「おい、冴木、意味が……」
「じゃっじゃーん!」
どよめきと歓声が客席から起こる。
「新メンバーってのは冗談でぇ……B館四階、執事喫茶をよろしくー! 俺等のクラスだから、皆来てくれよなー!」
ははは、と笑い声が上がる。
冴木はステージ用の衣装だったが、もちろん僕は衣装、執事の格好。
なんという醜態。最悪だ。