少年少女リアル
第三章 溶けない心
 その晩、クラスの連絡網を伝ってお叱りのメールが届いた。
集まりの悪さへ対するお叱り、否、厭味と呼ぶべきか。平野さんから回ってきたものだ。
怒りの矛先から逸れている僕には、痛くも痒くもないけれど。
何となく、この人は店長とかそういう職業には向かないだろうな、と思った。


意外にもその効果あってか、三日後の集まりでは人数が十五人以上に増えた。満足気な顔の平野さんが安易に想像できる。

「執事なんて、ノリが良けりゃ出来るのよ」

「だから、冴木君! 頑張ってね!」

二日目にして顔を出した冴木は、急に取り立てられ、わけが分かっていないまま、返事をした。

「見掛けさえ良けりゃ、客引きはできるんだから」

顔が綺麗だからだろう。どうやら冴木は広報大使に任命されたらしい。一方的な任命に違いなかった。


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