少年少女リアル
「中間アピール、出てたじゃない」
「ああ」
補足を入れてようやく理解する。あまりに言葉足らずじゃないか。
やっと話の中身が分かった僕は、思わず笑いが零れた。
「衣装の事?」
「そう」
昨日の、文化祭の中間アピールに僕が出た事を言っていたらしい。厳密には、「出た」じゃなくて「出さされた」だけど。
「シャーペンの芯はひどいよ」
簡単に折れそうなほど、僕がひょろ長いと言いたいわけか。
「細くて姿勢が良いから、黒い服なんか着たらどうしてもシャーペンの芯に見えた」
「学ランの方が真っ黒だけど」
「ああ、そうか。じゃあ、これからの季節が楽しみだわ」
本当に、この人は遠慮も容赦もない言葉を投げつけてくる。