少年少女リアル
「曾根君は私と同じタイプの人間だから、ああいう場には出ないと思ってた。何だか、意外」
同じタイプだと思われていたのか。僕にはそっちの方が意外だ。
夏目さんの方が僕より断然変わっているのに。
「出たくて出たわけじゃない」
「それなら断れば良かったのに」
「ほぼ無理矢理だよ。黙って立ってるだけでいいから衣装お披露目に、ってさ」
実際に、僕は一言も口にしていない。アピールは全て元橋さんと冴木が行ったも同然だ。
「ふーん。まあ、客引き目的なのはバレバレだったけどね」
「客引き? あの、シャーペンの芯みたいな格好で?」
冴木はノリノリだったけれど、あんなの、本当に客引きになるのか疑わしい。僕はシャーペンの芯の如く突っ立っていただけだし。