Taboo Apple ~side Ryota~
「いや。ほらもう子どもは寝ろ」
もう日付は変わってしまっている
「…眠れなかったの」
兄さんがりんごに言えない、とりんごへの謝罪を口にしていたことから母親のことを知っているとは思えないから
「怖い夢でもみたか?」
「そんな子どもじゃない。……龍ちゃん。神様って意地悪なんだね」
「!?」
「ママ、治らないんでしょ?…お父さんは悪くない。悪いのは…」
視線をそらしたりんごの瞳から涙が一つ、二つと滴り落ちる
「もう泣きたいだけ泣いちまえ。兄さんのことを思って泣かないでいてくれたんだろ?」
入り口に立ち尽くしているりんごの頭をそっと撫で自分のシャツに顔を埋めさせた
「りょ…」
「兄さんには黙っておいてやるから」
子どもは子どもなりに気をつかっている。
ましてや会ったときから、その時以上に大人びた思考を持っているりんごだ。
「っ…龍ちゃん、煙草くさい」
「煩い。どうするんだ?」
「…意地悪」
皺ができるくらいに強くシャツを掴むと、顔を埋めて泣き始めた。
もう日付は変わってしまっている
「…眠れなかったの」
兄さんがりんごに言えない、とりんごへの謝罪を口にしていたことから母親のことを知っているとは思えないから
「怖い夢でもみたか?」
「そんな子どもじゃない。……龍ちゃん。神様って意地悪なんだね」
「!?」
「ママ、治らないんでしょ?…お父さんは悪くない。悪いのは…」
視線をそらしたりんごの瞳から涙が一つ、二つと滴り落ちる
「もう泣きたいだけ泣いちまえ。兄さんのことを思って泣かないでいてくれたんだろ?」
入り口に立ち尽くしているりんごの頭をそっと撫で自分のシャツに顔を埋めさせた
「りょ…」
「兄さんには黙っておいてやるから」
子どもは子どもなりに気をつかっている。
ましてや会ったときから、その時以上に大人びた思考を持っているりんごだ。
「っ…龍ちゃん、煙草くさい」
「煩い。どうするんだ?」
「…意地悪」
皺ができるくらいに強くシャツを掴むと、顔を埋めて泣き始めた。