Taboo Apple ~side Ryota~
Act 3
ジンライムと涙
それから半年
りんごのあの涙から1年ほどたったある日
義姉さんは、兄さんの診断した余命通り、りんごを残して旅立った
その一報を聞いたのは遠く離れた南の地でのことだった
「…秀司。できる限りすぐそっちに向かうから」
「わかった。無理しなくていいから」
キャンセルの出た飛行機に乗り込む
乱れた髪など気にならなかった
散らかったクローゼットから喪服を引っ張り出すと、黒いネクタイを手に持ち、兄さんの家へと急いだ。
「りんご」
庭先で呆然と空を見上げるりんごを見つけ、躊躇うことなく声をかけた
「よく頑張ったな」
顔を胸に押し付けるようにして抱きしめた
りんごのあの涙から1年ほどたったある日
義姉さんは、兄さんの診断した余命通り、りんごを残して旅立った
その一報を聞いたのは遠く離れた南の地でのことだった
「…秀司。できる限りすぐそっちに向かうから」
「わかった。無理しなくていいから」
キャンセルの出た飛行機に乗り込む
乱れた髪など気にならなかった
散らかったクローゼットから喪服を引っ張り出すと、黒いネクタイを手に持ち、兄さんの家へと急いだ。
「りんご」
庭先で呆然と空を見上げるりんごを見つけ、躊躇うことなく声をかけた
「よく頑張ったな」
顔を胸に押し付けるようにして抱きしめた