Taboo Apple ~side Ryota~
Act 4
ジプシーと決意
「ただいま」
1時間ほどカフェで原稿の推敲などをし、マンションへ戻ってきた。
「お帰り。煙草臭かった」
「ごめん」
「……あとこれ。忘れ物じゃないかな?」
りんごから差し出されたのは薔薇をモチーフにした片方だけのピアス。
数ヶ月前に別れた彼女のもの。
落ちていなかったか聞かれたのを今更思い出した。
そしてこんな風にりんごに彼女の落し物を見つけられるのは初めてはない。俺が探しても見つからないのに、りんごは見つけるのだ。
やっぱり女なんだと認識させられるようで、苦いものがある。
「悪い」
「……」
「出かけないか?写真展のチケット貰ったんだ。兄さんたちいないんだろ?昼奢るし」
「うん」
りんごに背をむけ、部屋を出る。昔だったらここで頭を撫でていたのだろうけど、最近では触れられなくなってしまった。
触れようと思うと躊躇ってしまうのだ。何かが壊れる気がして
1時間ほどカフェで原稿の推敲などをし、マンションへ戻ってきた。
「お帰り。煙草臭かった」
「ごめん」
「……あとこれ。忘れ物じゃないかな?」
りんごから差し出されたのは薔薇をモチーフにした片方だけのピアス。
数ヶ月前に別れた彼女のもの。
落ちていなかったか聞かれたのを今更思い出した。
そしてこんな風にりんごに彼女の落し物を見つけられるのは初めてはない。俺が探しても見つからないのに、りんごは見つけるのだ。
やっぱり女なんだと認識させられるようで、苦いものがある。
「悪い」
「……」
「出かけないか?写真展のチケット貰ったんだ。兄さんたちいないんだろ?昼奢るし」
「うん」
りんごに背をむけ、部屋を出る。昔だったらここで頭を撫でていたのだろうけど、最近では触れられなくなってしまった。
触れようと思うと躊躇ってしまうのだ。何かが壊れる気がして