Taboo Apple ~side Ryota~
「そして、りんごちゃん。おいで」



キッチンの方からでてきた少女



「りんごちゃん。僕の弟、りんごちゃんの叔父さんになる」




「…初めまして。りんごです。えーっと叔父ちゃん?」






真っ直ぐこちらを見てきた瞳は10歳という見た目とはそぐわない大人さを秘めていて、彼女がなぜそんな瞳をしているのか、物書きとしての血が僅かに騒いだ




「…叔父ちゃんは…。俺まだ20代だし」



「じゃ、お兄ちゃん?」





それはそれで、あと数年もすれば一種のプレイみたいになってしまう






「お兄ちゃんは秀司がいるだろ。ややこしくないか?」




「えー。我侭。じゃ、龍ちゃん」






15も年下にちゃん呼ばわりもどうかと思うが、今までで一番マシな気がしたので頷く







あの時、叔父さん。と呼ばれてたことに頷いていれば、何かが変わったのだろうか?






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