The second lover.
さかのぼること数時間前、
あたしは体操着でグランドにいた。
「やばいやばいやばい!
蒼(ソウ)先輩、格好良い〜!」
あたしは
一緒にバレーを観戦している
親友の美紅(ミク)の肩を
ばしばし叩く。
美紅は口を尖らせ
あたしの方を見ると
「桜(サクラ)〜痛いっ!
そしてうるさいっ!」
ただそうとだけ言って、
試合に再び熱中し始めた。
バレー大好きな美紅は
もうね、かなり真剣です。
今日はうちの高校の球技大会。
蒼先輩が
バレーの試合に出ていると
噂で聞いて応援に来た。