恋のミュージカル



思い出した。


思い出しましたとも。



「覚えています。」


柏木にしか聞こえないようにささやく。



「じゃあ、ヒロインやってくれるよね?」



「あ〜………やります。」


周りのざわめきが再び起こる。

歓喜の声だ。


「やったぁ!貴博くん主役だよ!」


「嬉しいねぇ!ってかあの女の子誰?」


「ヒロインがあの子ってのが気に入らないけど。」


「この学年にいたっけ?」



耳に痛〜い会話が耳に入ってくる。


まさか私がヒロインになるとはね。



え?


昨日柏木と何があったかって?


いや〜……



聞いてくれますか?


実は……




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