今日も地球の上では☆2
薄暗い店内は、純さん以外、人の気配がしなかった。

でも、ドアの鍵は開いていたよね?

私が疑問に思っていると、急に店内の電気が点いて明るくなった。



「おやっ? こんな時間に誰かと思えば、珍しい客が来たもんだ」



えっ?

女性の声がして、声のした方を見ると、50代位の女性が奥のドアを開けて立っていた。



この方が、このお店のママさんなのかな?

今は営業時間外の日中だからかもしれないけど、トレーナーにジーンズと言うカジュアルな服装は、お店の内装と対照的でちょっとだけ違和感がある。



「昼飯、まだなんだけど、なんかある?」



えっ?

あ、あの……純さん?

何も昼食だったら、馴染みの店なのかもしれないけど、営業時間前のスナックに来るより、どこか他のお店でよかったのでは?



私が戸惑っていると、その女性は優しい笑顔で私を見てから、純さんに視線を戻した。



「うちは『スナック』で、『食堂』じゃないんだよ、ったく。しかもお連れのお嬢さんに、なんの説明もしないで来たんだろ? 何か作ってくるから、ちゃんと話してやんなさい」

「大丈夫、そのつもりだから」



純さんの返事を聞いて、その女性はクスッと笑い、奥のドアの向こうへ姿を消した。


< 16 / 100 >

この作品をシェア

pagetop