今日も地球の上では☆2
純さんは笑顔のまま、私を見ていた。



きっと子供の純さんには、大きな心の傷になったと思う。

こうやって笑って話せるようになるまで、純さんは多分、長い年月を費やしたんじゃないのかな?



だって。

私は、未だに……誰にも自分の生い立ちを、話せないでいる。



話してみようか、純さんになら……。



そう思った瞬間。

『あの人』の顔が私の脳裏に蘇り、背中の『跡』が痛んだ気がして、無意識に『跡』がある方の左肩を右手で押さえた。



やっぱり、無理!



私には『あの人』と過ごした7日間の恐怖より、『あの人』と同じ血が流れている現実の方が、今は怖かった。



私も『あの人』と同じ事をしてしまうかもしれない。

私が『あの人』と同じにならない為には……『特別な人』は、作らなければいい。


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