今日も地球の上では☆2
嘘つき。

本当は、私がまた遠慮して『ここに居れない』って言わないように、わざと断れないように『社長命令』だなんて言ったんでしょ?

分かっている……これがこの人の優しさ。



「分かりました……資料はこれですね?」



私は出来るだけ純さんを見ないように、パソコンの前のイスに座った。

だって、まぶたは腫れてるし……多分、顔は少し赤くなっている。



「ああ。単価と人件費なんかはいつもと同じでいい。微調整は俺がするから、出来たらメールで添付ファイルを送ってくれ……その資料で、何か分からない所は無いか?」

そう言われて、複数あった物件の資料に軽く目を通す。



「大丈夫です。出来たらメールします」

「よしっ、じゃぁ、よろしく」



ポンポン

そう頭を軽く撫でられ、せっかく『仕事モード』になりかけていた気持ちが、『恋愛モード』に引き戻された。



書斎を出て行く純一郎さんの後ろを、私は俯きながらついて行った。


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