今日も地球の上では☆2
『そうかい、分かった。あんまり、無理するんじゃないよ?』



あっ、仕事だと思っているんだ。



「うん、大丈夫」

私はそう返事をしてから、お父さんの事を思い出した。



「あのね、ばあちゃん」

『ん?』

「今日、偶然……お父さんに会ったよ」

『そう……元気だったかい?』

「うん……うちの社長と顔を合わせたら、“風花の父です。娘をよろしくお願いします”ってハッキリ言われちゃった」



電話の向こうで、ばあちゃんが笑った気配がした。



『まったく、あの子は変わらないねぇ~』



そうだった。

お母さんとお父さんは幼なじみで、ばあちゃんは子供の頃からお父さんを知っているから、お父さんの事を“あの子”と時々言うんだ。



「ねぇ、ばあちゃん」

『ん? なんだい?』

「あのね……お母さん、私を生んで……幸せ、だったのかな?」

『何、分かりきった事を訊いてるんだろうね、この子は』

「分かりきってる?」

『当たり前だろ? 幸せだったから、風花の写真をたくさん撮って、ばあちゃん達にいつか見せようと残しててくれたんだよ』



そうか……。


< 68 / 100 >

この作品をシェア

pagetop