今日も地球の上では☆2
「私、子供の時、憧れていたの……大きくなったら、お父さんとお母さんみたいな結婚がしたいな、って……いつも楽しそうで、冗談言い合ったり、ケンカしてもすぐに仲直りして」
でも。
「私の体には、『あの人』の子供だ、って醜い印が刻まれてしまった。もう、無理」
お父さんとお母さんが、楽しそうに笑っている顔が頭に浮かんだ。
ポロッと涙が零れる。
『あの人』と同じ血を持っている自分が、いつか好きな人が離れてしまうと分かったら、同じように狂ってしまいそうで怖かった。
それでいて、お母さんと私を愛情で包み込んで守ってくれていたお父さんのような人が、この広い地球上の何処かに居るかもしれない……そんな淡い希望を、心の片隅に持っていた。
でも、そんな人が居たとしても……背中の跡を見られたらきっと、クラスメートに見られたあの時みたいに『醜い』と言って嫌われる。
だったら、やっぱり最初から……恋愛なんて、諦めればいいんだ。
それが……好きな人も、自分も、傷付かない方法。
「そうでしょ? お母さん」
「風花」
耳元で名前を呼ばれた。
私は決心して、抱き締められていた腕を静かに解き、振り返った。
「純一郎さん……私、やっぱり、あなたとは」
『一緒に居られない』……そう言おうと思った。
でも。
「私の体には、『あの人』の子供だ、って醜い印が刻まれてしまった。もう、無理」
お父さんとお母さんが、楽しそうに笑っている顔が頭に浮かんだ。
ポロッと涙が零れる。
『あの人』と同じ血を持っている自分が、いつか好きな人が離れてしまうと分かったら、同じように狂ってしまいそうで怖かった。
それでいて、お母さんと私を愛情で包み込んで守ってくれていたお父さんのような人が、この広い地球上の何処かに居るかもしれない……そんな淡い希望を、心の片隅に持っていた。
でも、そんな人が居たとしても……背中の跡を見られたらきっと、クラスメートに見られたあの時みたいに『醜い』と言って嫌われる。
だったら、やっぱり最初から……恋愛なんて、諦めればいいんだ。
それが……好きな人も、自分も、傷付かない方法。
「そうでしょ? お母さん」
「風花」
耳元で名前を呼ばれた。
私は決心して、抱き締められていた腕を静かに解き、振り返った。
「純一郎さん……私、やっぱり、あなたとは」
『一緒に居られない』……そう言おうと思った。