今日も地球の上では☆2
『気持ち悪い』

『汚い』

『醜い』



クラスメート達の声が頭をかすめた、その時。



ビクッ

背中に温かく柔らかい感触がして、驚きで体が跳ねた。



その感触は場所を少しずつ移動して、何回も続いた。



ああ……私の醜い背中の烙印に、癒しのキスを落としてくれているんだ。



涙がボロボロと溢れて、止まらない。



私の心の中に沈めていた『パンドラの箱』。

その箱の中に、最後に残っていた『希望』は……純一郎さん、あなただったんだね?



「純一郎さん……好き」

「ああ、分かっている」



やっぱり、見透かされている。



純一郎さんが私に触れる度に、触れた場所から体温が上昇する。



純一郎さん、好き。



愛しい人の体温を感じながら、私の心はそう呟いていた。



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