今日も地球の上では☆2
「あなたを連れ去った最後の1週間……

 あなたが自分を覚えていなかった事にショックを受けて、自分を忘れないように体を傷付けてしまった事、すごく後悔していたわ……

 『取り返しのつかない事をしてしまった』

 『自分も両親と同じ事をしてしまった』って」



私の記憶にある『あの人』が時々見せた、優しい笑顔。

あれは私を通して、お母さんを見ていたと思っていたけど……もしかしたら、本当はちゃんと私自身を見ていたの?



「もしかしたらそうなるんじゃないかと思ったから、私はあなたを連れてあの人から離れたのに……」



お母さんの言葉を聞いて、分かった。

お母さんは、私が虐待されないように……そして、『あの人』が両親と同じように虐待をして傷付かないように……そう思って、離れたんだ。



「『戻って風花に謝りたい』って言ったけど、あの時の風花は怯えていたから会わせるのは無理だと思って断ったら、『頼むから謝らせてくれ』って興奮し出して……事故に繋がってしまったの」



謝りたい、って言った?

『あの人』は、お母さんを奪った私の事を嫌っていたんじゃないの?

お母さんの事だけ愛していて、私なんか消えてしまえばいい、と思っていたんじゃないの?


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