今日も地球の上では☆2
休み明けの仕事は、ちょっと戸惑いがあった。

職場で、今までと変わらずに居られるか、心配だったから。

でも幸い、休み明けは純さんと他県の現場へ出張だったから、他のみんなと顔を合わせる前に出発で、ちょっとホッとした。



長時間移動の現場へ行く時は、いつも交代で運転をしている。

純さんは朝が苦手なので、私が先発で運転をするのが暗黙の了解。

チラッと助手席を見ると、ちょっとだけシートを倒して、目を瞑っている純さんが居た。



なんだか、不思議。

こうしていると、『上司と部下』の以前と変わりないままのような気がする。



昨日、目覚めた後の純一郎さんは、ドギマギしている私とは逆で、いつもと全然変わりが無かった。

私達……本当に、何か変わったのかな?



あっ!

私……純一郎さんに、プロポーズの返事をちゃんとしていなかった。

きっと、返事をしなくても、分かっているんだよね?

ねぇ、純一郎さん?



「風花」



ドキッ

心の中で呼び掛けたタイミングで名前を呼ばれたから、ビックリしてしまった。



「はい?」

「Uターン、してくれないか?」

「えっ?」



意外な事を言われて、思わず声が裏返った。

いや、でも……。



「ここではUターンは無理ですよ? 戻るなら、この先のトンネルを過ぎた所の簡易パーキングに1度入ってからでないと」



ここは一応舗装されてはいるけど、車が擦れ違うのがやっとの山道。

後ろから車も来てるし、Uターンなんて無理なのに……どうしたんだろう?

そう話しているうちに、トンネルが見えてきた。


< 93 / 100 >

この作品をシェア

pagetop