今日も地球の上では☆2
チッ

えっ?

舌打ちした?



「純さん?」

「仕方無い……風花」

「はい?」

「この先、俺がどうなっても、気にせずに真っ直ぐ前を見て運転してろ……いいか?」

「えっ、あのっ、それってどう言う意味……」

「いいから! 俺は大丈夫だから、気にするな!」



えっ、何?

意味不明。

訳が分からずにいると、トンネルのすぐ目の前に着いた。



「純さん? どう言う意味なんですか?」

トンネルに入り、そう問い掛けてみた。



……あれっ?

返事が無い。



「純さん?」

反応が無い。



気になって、チラッと隣を見た。

えっ?



「純さん! どうしたんですか?! 純さん!」

助手席で、純さんが痙攣(けいれん)を起こしたように、目を開けたまま体を『ピクッピクッ』と動かしていた。



「純一郎さん!!!」

そう呼び掛けた時、さっきの純一郎さんの言葉を思い出した。



『この先、俺がどうなっても、気にせずに真っ直ぐ前を見て運転してろ』



どうしよう……とにかく、早くこのトンネルを過ぎなくちゃ!

動揺しながらも、私はアクセルを踏んだ。

チラッと隣を見ると、純一郎さんは涙を流していた。



どうしよう、どうしよう。

もしこのまま、純一郎さんが死んじゃったりしたら……。

何がどうなっているの?

イヤだよ! 純一郎さんが居なくなったりしたら、私……。



そう思っていたところで、トンネルを抜けた。


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