今日も地球の上では☆2
純一郎さんの体調が落ち着いてから、現場へ向かった。



現場へ着くと偶然同じ街に、純一郎さんの学生時代からの親友で科学者の原口龍太郎博士が、講演会で来ている事が分かった。

そして、純一郎さんが連絡を取って、会う事になった。



「よっ、久し振り」

あっ! テレビでも見た事がある『龍太郎博士』だ!



講演会場で待っていると、そう言って私が一方的に見覚えのある男性と、知的で優しそうな雰囲気の女性が近付いて来た。



「久し振り……って、なんだよ、葵も一緒かよ」



えっ?

私の横で、純一郎さんがそう言った。

純一郎さん、知ってる女性なんだ……。



「なーに、久し振りに会ったと思ったら、その嫌そうな言い方……って、そっちこそ、可愛らしい女の子と一緒じゃない。『たらしの純』の何人目の犠牲者?」



『たらしの純』……って……。



「人聞きの悪い言い方するな……紹介するよ、望月風花。俺達、結婚するからその時は立会人になってもらおうかと思って……いいか?」



えっ?

私は驚いて、隣を見た。



純一郎さんは龍太郎博士の方を向いてたけど、私の視線を感じたのか私の方へ視線を変えた。



「お互い家庭の事情もあるから、あまりおおげさにしないでいいだろ?」



結婚式の事?

純一郎さん、先走り過ぎだよ。



思わず苦笑いになったけど、私は頷いた。



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