地獄からのメッセージ
俺は、クッキーの缶の中に、漂白剤と塩素系の洗剤を混ぜ合わせ石灰を入れて染み込ませた。
その中にジッポーオイルも混ぜてコーラのビンにゆっくりと入れていった。
口の部分に木の枝を削った物で栓をして離れた木の根っこの部分に置いた。
それに消音装置が付いた二十二口径のアメリカン・ルーガ-のシングル・シックスの輪胴式拳銃を向けた。
大きな消音器が邪魔にならない様に銃身を2インチ半に切ってあり、発射音が横や後ろに漏れにくいように、ダブルアクションのスウィング・アウト式シリンダー弾倉のリヴォルヴァーではなく、弾倉のまわりの隙間が小さいロッディング・ゲートを持ったシングル・アクションのリヴォルヴァーである。
そのトリガーをゆっくりと狙いを定めてビンに弾を発射した。
小さな音を残して拳銃から飛び出した弾が、ビンに命中したとたんに大爆発を起こして、木の根の部分に大きな穴をあけた。
想像以上の音に驚いた俺は、一瞬工場の方に目をやったが、気付かれてはいない様である。
煙でばれない様に素早く火を消してから、同じ物を数本作った。
次に、ラムネのビンを取り出した。
これらの中身を捨てて、スクリュー型の口を回して外すと小川の水を5分の1程入れ、川砂と釘を数本入れた。
口の部分に栓となる玉を押し込み、ビンの中にカーバイトを入れてから口を回して閉めた。これも数本造り、倒れないようにケースに立てて叢の影に仕舞って置く。
日が沈むのを待って、俺は拳銃とビンを腰に装着して工場に近ずいていった。