地獄からのメッセージ
騒ぎを聞き付けて来たボディーガード達が、いきなり俺の前に現れ自動小銃を乱射してきた。
俺は近くにあった部屋に飛び込み、応戦した。
全ての弾を撃ち尽くした時、工場の中はようやく静まり返った。
俺は素早く先ほど進入して来た廃水路のマンホールを探して脱出を試みた。
が、次の瞬間、いきなり後ろからブラックジャックのような物で後頭部を殴られ、意識が遠のいていった。
倒れこみながら振り返った時、思わず喉の奥から声が漏れた。
それもそのはず、其処に居た人物とは、ランビット総督であったからである。
― 俺をこの世界に巻き込んだ張本人でもある彼が、何故ここに… ―
薄れていく意識の中で、頭の中がグルグルとまわり、次第に真っ白になっていった。
気が付いた時は、手足を鉄の輪でセメントの台の上に括り付けられていた。暫くは、意識が戻っても気絶した振りをして回りの様子を観察した。
誰も居ないみたいだが、部屋の隅にある監視カメラを、薄目を開けた俺の目が捉えた。